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暖かな光に包まれて、タカセはゆっくりと歩いていた。
タカセの歩く先には目が霞むほど眩い光がある。
その光を求めるように手を伸ばすと、何かを掴んだ。
ドアノブのようなものだった。
タカセはゆっくりとドアノブを回し、扉を開けた。
扉の向こう側には、果てしない花畑が広がっていた。
色とりどりの花が一面に咲き誇り、美しいという形容詞しか思い浮かばない。
その花畑は不思議と、どんな人でも優しく迎え入れる、と語りかけてくるようだった。
タカセはその花畑に足を踏み入れた。
踏みしめた土は何の抵抗もなく、タカセの足を受け入れ、土の温かさを与える。
タカセは大きく手を広げ、体全体に光を浴び、大きく深呼吸をした。
こんなにも清々しい、理想郷のような世界があるなんて。
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