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それから迷いもせずに大学の校門まで走り抜いた。 息は上がったが足を止めることはせず、電車に乗り込んだ。 そして、電車が発進するまで背後は見ずに、荒れた呼吸を整えていた。 タカセは電車の扉の閉まる音が聞こえたと同時に、振り返った。 ――――今日ばかりは、目を疑いたかった。 しかし確かに居た。 タカセの夢の中で手を差し伸べた人物が。 「……アイザワ……」 そうタカセは呟くように、その人物の名を言った。 そしてタカセは目を閉じて、項垂れた。
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