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僕は寺島祐樹。 私立高校に通う、 ごく普通の生徒。   今日は土曜だが 模試がある為学校に行った。 希望大学に行けるか 評定が出るやつで、 休むわけには行かなかった。   「では、 今から数学のテストを行う。 時間は、90分だ。 では、始め」   そんな時だった…。     ―2008年9月6日  8時41分23秒、  関東大震災、発生。  震源地、相模湾。  マグニチュード6.9  震度6強―     窓は割れ、棚や黒板は倒れ、 もはや教室では ない状態になった…。   「祐!しっかり!」   舞の声で目が覚めた…。   「ここは…?」   「体育館。 地震があって、 避難してきたの」   「そっか…。皆は?」   「何とか無事みたいね」   「良かった…。うっ…」   腕に、大きな傷があった。 恐らく、 ガラスでも刺さったのだろう…。   「これ使って!」   舞がハンカチを 腕に巻いてくれた…。   「ありがと」   「いえいえ~」   さっきの痛みは、 出血による痛みではないと、 まだ気付かなかった…。   「臨時ニュースをお伝えします。 先程、8時40分頃、 地震が発生しました。 震源地は相模湾、 震度は6強です。 鉄道等の交通機関は 全線運転見合わせで、 高速道路も通行止めです」   って、帰れないじゃん!   そんなツッコミを している場合ではなかった…。   暫くして、 保健の先生が入ってきた。   「怪我してる人は病院行くから、 いたら車に乗って」   「祐!行ってきな」   「舞は?」   「私は平気♪」   「そっか」   「またね~」   そして、病院に着いた。 病院は怪我人だらけだ。 まるで、 戦争中の防空豪の中みたいに…。   「寺島さーん」   「はい」   そして、診てもらった。   衝撃の事実が、 医師から告げられた…。   「…血管が、破裂しています。 それにより、 皮膚も炎症を起こしてますね。 止血してありましたので、 最悪の場合には なりませんでしたが」   何…破裂って…。どういう事…?   「手術した方が いいかもしれません…。 それと、 絶対水には触れないで下さい。 炎症が酷くなりますので」   手術…?水…? 頭の中を言葉が駆け巡る…。   「住んでいる市内に 病院はありますか?」   「あ、はい…」   「では、なるべく早めに そちらへ行って下さい」   「分かりました」
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