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無事に手術が終わり、
一週間の月日が流れた…。
「どう?」
「母さん…!」
家族が、来てくれた。
「大丈夫?」
「うん…。」
何故か分からないが、
胸が熱くなり、目が潤む…。
「腕は動くの?」
「少しぎこちないけどね。」
「なら良かった。」
そして、
母が鞄から何かの紙を出した。
「これ、皆からのメッセージね。
ここに置いておくから、
暇だったら読んでみな。」
「うん。」
今は絶対に読まない。
泣いてしまうから…。
「じゃあ、帰るね。」
「うん。」
「お兄たん、がんばれ~。」
六歳の妹の言葉に、
とどめをさされる…。
「おぅ!
未来(みく)も頑張れよ!」
「うん!」
そして、
親が帰ったので手紙を読む…。
《祐へ。調子はどう?
バンドの調子は、
やっと形には
なってきたかな。(^_^;
本番まで後少ししかないけど、
うちらなら平気でしょ!
不安だったら
ピースだよo(^-^)o ☆舞☆》
《おっす。元気でやってっか?
皆、早くお前に会いたいってよ。
けど、無理はするなよ。
無理して悪化したら、
意味ないからな。
舞もお前の事
すごく心配してるぞ。
退院したら、すぐ会ってやれ。
そして、想いを告げちゃえ!
じゃ、頑張れよ! 翔》
《お兄たんが、
ぶじにたいいん
できますように! みく》
「皆…!」
手紙の上に、滴が落ちる…。
「失礼します。」
看護士さんが入ってきた。
急いで涙を拭く。
「調子はどうですか?」
「痛みはもう
殆どありませんね。」
「そうですか。
では、明日、退院ですね。」
「本当ですか!?」
「はい!」
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