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日が経ち、校内で大ちゃんを見つける度に苛立ちは積もっていく。 いつも、どんな時だって大ちゃん隣にはあの人が居るから…っ。 凄い人だと思う。それは認める。 けれど、この焦りはなんだ…? 俺の居場所。 生まれてからずっと側にあった心地の良い陽だまりのような場所。 大ちゃんの隣。 今までそこにはずっと俺が居た。 ずっと、ずっとだ…。 なのに、高校に入ってから目にしているのは、大ちゃんの隣に俺ではなくあの人が居る姿ばかりじゃないか。 本当はもっと前からあの人がそこに居たのかもしれない。 俺が知らなかっただけで…。 …それはそれでムカつく。 「もう、なあにしかめっ面してるの?折角の良い顔が台無しだよ!」 「元からこういう顔だ」 「嘘はいけないなーっ。僕は山ちゃんのもう少し柔らかい表情が好きだよ。あ、今のでも十分好みだけど」 本気か冗談か。 どちらかと言えば冗談に聞こえるけれど本気でそんなことを言ったこいつは自分の席に座っていた俺の後ろから軽く飛びつくように抱きついてきた。 そして、男とは微塵も感じられない程に可愛らしく微笑む。 少し高い声が耳元で発せられ、吐息が微かに肌に当たる。 計算され尽くされた行動、仕草。 他の奴だったら堪らないんだろうけど、俺にはからかわれているようにしか思えない。 実際こいつは本気だし、本心からの行動をしているけれど、遊び半分という事に変わりはなかった。 「今、まじで苛ついてるからやめろ」 「今っていうか、ここ最近ずっとでしょーっ。切羽詰まってる状態ってあんまり良くないよ?たまにはパーッと羽目外して気分転換しなきゃ!」 「気分転換するとしてもお前はお呼びじゃねぇよ。つか俺はお前とは違う」 「そーう?そりゃ残念っ」 全く残念そうな雰囲気は一切見せずに、クスクスと笑いながら俺から離れれば、そのまま俺の前の席の奴の椅子に座った。
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