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幼馴染みは、一番近くて一番遠い。
手を伸ばせばいつだって触れることが出来るのに、本当に望む形では絶対に触れることは出来ない。
他のどんな誰よりも近く、誰よりも長く側に居れるというのに、この欲求が満たされることはない。
まるで目の前に居る存在はただの幻想ではないかと思ってしまう程に、この手は空を切り続ける。
永遠に、これからもずっと。
どう足掻き抗ったって二年という年の差が縮まることもないんだから。
憎らしい程に大きい差。
初めから近づくことは許されない圧倒的な差。
中学、高校と同じ学校に通えるのだってたった一年の間だけ。
どれだけ必死に背中を追い掛けたとしても、また離されてしまう。
ずっと、…その繰り返し。
だから、大人になればきっと俺を見てくれる。
なあ、…そうだろ?
…なあっ……なあッ
俺はただ………
壊したいぐらいに全てを愛してしまっただけなのに
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