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親しげに会話を交わす二人が、大ちゃんの頭を撫でるその人の姿が、あまりにも似合っていて、当たり前のようで、足は固まり、声を掛ける事が出来なくなってしまった。    大ちゃんの友人なんて今までに何人も見てきた。 何人も、何人も何人も何人も。    元から大ちゃんは気さくな奴だったから友人は多かったし、どんな奴とでも大抵は仲良くなっていた。    その中の何人もと俺は会っているし、遊んでもいるし、ウマが合い大ちゃんよりも仲良くなっていたケースだってあった。    それなのに、なんなんだ…この感じは。    大ちゃんに友人が居るのは普通のことだし、俺にも友人が居る。 どうって事ない当たり前のこと。 なのに、どうしてこんなにもムカついているんだ…。    黒い髪に、緩くかかっているパーマ。 その黒さを尚も際立たせている白い肌。    身長は大ちゃんより頭一つ分ぐらい高くて、誰からも好かれそうな柔らかな雰囲気を漂わせている優男。 …顔が良いからムカついている? そんなわけない。    大ちゃんの友人の中に顔の良い奴なんて何人か居た。    だったら、なんだ? …どうして俺は大ちゃんの友人を 見ただけでこうも嫉妬とはまた違った――或いはそれ以上の嫌悪感でいっぱいになる? 「………っあれ?おっ!山田じゃん!」 人混みから抜け出し、一通りの会話を終えた大ちゃんはその場に突っ立ったままでいた俺に気付き、大きく手を振ってから、近付いてきた。 勿論、大ちゃんと一緒に居た友人と共に。 「お前も結果見に来たわけ?てっきりこういうのは興味無いと思ってたけど……」 「いや、俺はただ友達に連れて来られただけだから」 「あ、やっぱそうなんだ!」 やった、当たった!という大ちゃんの心の声が表情から伝わってくる。 本当に…解り易いにも程がある。    学校規定のブレザーの下にパーカーを来ている大ちゃんは端から見れば俺と同じ一年に間違えられそうなぐらいに童顔だけど、隣にいるこの人は打って変わって大人びた印象があった。
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