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朝の澄んだ空気を吸い込み1日の始まりである境内の掃除をする娘。
名は小夜(さよ)。齢15になる神社の娘である。
この神社はかつてこの地に災いをもたらしたとされる龍を封印し祀る為に建てられたという。
ただし、何百年も前の話であり真相は定かではない。
『よし、ここはこのくらいでいいかな。あっ桜の蕾が出てきてる。』
神社の横には大きな桜の木が1本あり毎年綺麗な花を咲かせる。
それを見に村人が訪れいつしか宴会が始まるのだ。
村は裕福でもなく貧しくもない。山から流れる綺麗な水や天災等も滅多に起こらないため秋には黄金色に輝く穂が辺り一面を覆い尽くす。年貢を納めてもまだ十分に残りがあるため来年までの食べる量以外を売っているのだ。
鳥居から1人の男性がやってきた。
『あ、金三郎のおじさん。おはようございます、今日もいい天気ですね。』
「おはようお小夜ちゃん。毎朝お掃除えらいね。」
金三郎さんは毎朝やってきてお詣りをする。
こうやって挨拶をするのが日課なのだが…いつもよりなんか暗い顔をしていた。
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