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ふと、相澤の耳を見る。
左に空いていたピアスの穴は塞がった。
「塞がったな。」
「ん？あー…、あぁ。」
微かに跡があるだけの耳に手をやる相澤。
「夏休みあたりにまた空けるけど。」
「やめとけ、」
陸上部の顧問は、かなり厳しい。
てゆうか、ピアスとか普通にアウトだ。
ピアスの穴が無くなって、
良かったと思っている。
少なくとも、ピアスで問題が出なくて良かった。
ドロップアウトの道は軌道修正されているのかもしれないけれど
俺個人としてみれば本当に良かった。
相澤が学校で不利にならなければ良いと、思っている。
有意義な学校生活であればいいと思う。
俺も相澤がいない学校生活は考えられないから。
相澤にはいなくなってほしくない。
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