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相澤じゃなきゃいけない理由は、無い訳じゃない。
相澤は、あれだ。
俺を止めてくれるから。
「先生わかりませーん。」
「自分もわかりませーん。」
数学の時間。
理解できない生徒発生。
俺的には、先生の話は聞かないで教科書見て理解するから、別にいい。
昼休みに入って、俺と相澤が弁当を食べ始める傍ら
数学がわからなかった生徒が声を上げる。
「―――…諦めとけよ、出来ないんだから、」
わからない、わからない、と連呼する生徒に思わず呟いてしまった。
小さかった俺の声は相澤にしか聞こえてなかったみたいだったが、
顔をあげた相澤と目があった、
「お前、自分が出来るからってそんなこと言うな。」
―――…はーい、
心の中で返事をした。
こうやって悪いところは悪いって言ってくれる相澤の存在がありがたい。
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