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「おい!悠希っ!」
俺―――加藤 悠希。
最近、怒られることばかりです。
「あー…っ、」
部屋に戻ってベッドにダイブ。
誰に当たる事も許されない。
とりあえず、部屋でモヤモヤが治まるまで、グッタリしてる。
うまくいかないことばかり。
そんなときに、鳴るのが携帯。
「――もしもし」
『あ―…、私。由美。』
成川由美―――
サイトで知り合った女。
俺からは連絡しないが、あっちからメールが度々きていた。
「―…どした?」
最近は連絡は無くて、
だからか、少し優しい声が喉から出た。
『あ―…、えっと話があってね、』
「うん、」
『…えっと、…自分、就職は都内か、県内にしろって親に言われて…。』
――――その話か、
一瞬何のことだと眉を潜めて、思い出した。
前に
大人になったら会おうとか言っていた。
県外なのに。
地方すら違うのに。
高校生なのに。
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