不良に間違われる斎藤君

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そうやって過ごすうちに 高校入試期間前。 俺は、高校をどこにしようか悩んでいた。 高校までは行くと姉と約束したので、就職はできない。 しかし、 近くの不良高校は、俺がのしてきて俺を恨んでいる奴らがゴロゴロいるだろうし、かといって普通の公立高校では、怖がられてしまうだろう。 できれば、俺を知ってるやつがいない遠い高校がいい。 あと不良も居てくれると助かる。 悩みながら帰宅すると、満面の笑顔を浮かべたあねが、仁王立ちして玄関にいた。 「哲!あんた、この高校に行きなさい!」 そう言って差し出したパンフレットには『私立草加学園』の文字。 「え?どこそこ」 と聞けば元気な答えが返ってきた。 「ここから車で二時間の全寮制私立男子高校よ」 簡潔だな。
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