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近頃、よく同じ夢を見る。
どこなのかよくわからない土地で俺は妙な形をした刀を持って、馬に跨っている。
右隣には美しい、整った顔立ちの女性らしき将が。
左には身の丈以上の長さの大槍を抱えた筋骨隆々の野蛮そうな男が。
そして後ろには足軽の格好をした何百という人間が、“毘”という文字が書かれた旗を背負っていた。
それを率いているらしい俺は、持っている変な刀を一振りし、馬を走らせる。
後ろにいた兵士達が俺に続く。
何百という叫び声が戦場らしき土地に轟音となって響く。
『駆けよ!毘沙門天の加護を受けし兵どもよ!』
俺は意味不明な言葉を叫びながら、目の前にいる四つのひし形が描かれた旗印に向けて突撃していった。
『この上杉謙信!今、龍となって天下を駆けてみせよう!!』
いつもそこで夢は途切れる。
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