軍神再誕!

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一閃。俺の目の前をなにかが横切った。 なんなのかはわからなかった。軍神の眼をもってしても、速すぎて見えなかった。 そして斬りかかってきたはずの毛利は俺の目の前にいた。 持っている刀は・・・・・・・・、刀身が半分なくなっている。 少し経ってから、その正体を把握できた。 それは俺自身の腕、七支刀を目に見えないほどの速度で振るった俺の腕だった。 毛利の攻撃と合わせるように、刀を横に振ったのだ。 その結果、毛利の刀だけに七支剣はヒットし、その刀身をへし折った。 折られた刀身は空高く舞い上がり、俺と毛利の間に落ちてきて地面に突き刺さった。 「・・・・・・・・・・・・こんな、ことが・・・・」 毛利は折れた刀身を見てがくりと膝から崩れ落ちた。 「言ったはずだ、足りぬと。相手の剣を見誤った時点で、貴様の負けだったのだ」 俺の口からそんな冷ややかな言葉が発せられると、毛利はぐっと唇を噛みしめて地べたに正座した。 「・・・・もはや私に刀を握る資格なし。斬られよ、謙信公」 き、斬られよ!?斬る!?俺に殺せってこと!? ざけんな!俺を人殺しにさせる気かこいつ!殴り合いの喧嘩もしたことない俺にそんなんできるかよ!! だがいくら俺が叫んだとしても、今の俺は上杉謙信。上杉虎太郎の言葉は届くはずもない。 「・・・・・・・・我は貴様を斬らぬ」 え・・・・・・・・? 届いた?俺の言葉を代弁した? よくわからないが、上杉謙信は刺客を斬ることを断った。 助かった、これで殺人罪で朝の新聞記事に取りあげられずに済む・・・・・・・・。
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