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それからたまに、その本屋に通うようになった
元々本が好きだし、こじんまりとした本屋にはあまり客が来ないので落ち着いて本を読めるから
本屋に行くと必ず彼に会った
私が先の時もあれば彼が先の時もある
必ず「ども」と、無愛想ながらに声をかけてくれる彼
それ以上話すことはない
ただ、同じ空間に居るだけ
一定の距離を詰めることなく、離れることなく共に過ごした
バイトの時もそうだ
この間会いましたね!とかもない
ただ、目が合えば「ども」と会釈するくらい
そんな日々は半年程続いた
半年で、彼について知ったことは
真田淳士という名前と、本が好きという事だけ
それ以外、私は彼の事を、知らない
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