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なんて事は置いといて、翌朝俺とルシファーはアスカ王国へと旅立った。
普通のギルド員らしく歩いての旅である。これは、たまにはゆっくり旅行したいというルシファーの願いにコウが賛同してこうなった。
「たまにはこういうのも悪くはないか。」
「依頼といえ、息抜きは必要ですよ。」
腕を組み、上機嫌のルシファー。歩き辛いんだけど、その笑顔を見ては手を放す事は出来ない。
すれ違い、追い越された馬車に乗った人達が驚愕を隠さずに2人を見送る。
ルシファーとコウはのんびり歩いているつもりだが、人間のレベルを遥かに越えた2人である。
その速度は馬車なそれを凌ぎ、早馬でどうにか追い付けるかという高速になっている。
それを自覚しているのかいないのか、2人はマイペースで街道を進む。
途中に点在する村や町は全て素通りした結果、国境まであと僅かの地点まで歩を進めていた。
「今日はこの辺で野宿をするか。」
「そうですね。無理して夜間も進む必要は無いでしょう。」
2人のスペックならば夜間に進む程度の事は無理でも何でもないのだが、夜間に国境を越えるのは怪しい人物だと見られる。
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