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「まだまだいくんだな。西の地を守りし聖獣よ、気高き誇り高き白き虎よ、風を纏いて現れんなんだな!」
マイタケの詠唱により光の魔方陣が生まれる。
現れたのは呪文の通り、西の白虎。純白の体に黒い縞模様。
眼光は鋭く、力強い前足から繰り出される一撃は対する者に死をもたらす。
………成獣だったらね。
小さい体は猫と間違えそうなくらいで、前足が太いから大きくなるんだろうなぁと見当はつく。
赤ん坊みたいで、鳴き声は虎というより猫に近い。
一生懸命走って来てるんだろうけど、ヨチヨチと危なっかしくて思わず左手を差し出してしまった。
しかし、今は戦闘中。いくら可愛かろうとも、この虎は対戦相手であるマイタケが呼び出した召喚獣なのだ。
白虎はその自覚があるようで、俺の左手の人差し指に噛みついてきた。
あっ、この子まだ歯が生えてない。噛みつくって言うより吸い付いてるっていう方が適切だな。
指に吸い付く白虎を、青龍が巻き付く右手で思う存分に撫でる。
この柔らかさにモフモフ感、堪りませんなぁ。マイタケ、間違いなく腕を上げたな。
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