「いきなり過ぎじゃないですか」

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ー新たな家族と過ごし始めて一週間程たつ。 私だけがいまだに馴染む事が出来ない。 一応のお母さん結子さんともギクシャクしているが、一応の兄の蒼井君とは一度も会話していない。 リビングにいると気まずくて、部屋にこもりがちになった。 家で過ごす時間がツマラナイ。 それはきっと、蒼井君も同じだ。 同じ立場だから。 今日もいつもの様に夜ご飯を終え、部屋に戻るだけ...のはずだった。 「あ、そうだ。遙、蒼井君!」 思いついた様にお父さんが言った。 「明日から俺と結子さんは家を空けるからなー。ちょっと新婚旅行に行ってくる」 ...どうしてお父さんはいつもいきなり言うんだ。 正直「は?!意味わかんないんだけど!いきなり何言い出すの?!」くらい怒鳴り散らしてやろうかと思ったけど、嬉しそうお父さんと結子さんを見て何も言えなかった。 「へぇ...」とだけ呟いて部屋に戻る。 私の事はどうでもいいのか...といら立ちながら気付けば眠りについていた。
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