「いきなり過ぎじゃないですか」

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「はー...」 家から出れば溜息が出た。 お父さん達がいなくて朝から家の中の空気が重苦しかったからだ。 洗面所で蒼井君に会い、無言で朝食を済ませ、そそくさと出てきたわけだけど あの空気にはとても耐えられなかった。 朝からどうしてこんなに疲れなきゃいけないんだろうか。 もう一度溜息をつき、カバンから本を取り出す。 本に目を通しながら歩いていると突然後ろから肩を叩かれた。 「ヒッ...!」 驚いて思わず声を上げると、まだ家にいたはずの蒼井君が制服に着替えた状態で肩をつかんでいた。 「...弁当、お前のじゃね?」 慌ててカバンの中を探ると弁当は無かった。 「あ、忘れたんだ...」
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