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上原は驚いたように剣を見た。
『驚くのは仕方ないとは思うが早く馴れてくれ、話す度に驚かれてはこちらとしても困る。』
「あ、うん。分かった。」
剣が非常に冷静に話したおかげかすぐに冷静になれた。
『聞いておくが、マスターの名前は上原で良いか?マスターが私を手に取ったさいにある程度情報が流れてくるが、念の為…な?』
「問題無いよ、君は?」
『私か?そうだな…今は剣の形をしているからな、聖剣ラグナで良いだろう。』
「今は?」
『私は歴代の勇者それぞれに最も適した武器だった、聖槍と言われた事もあるし、聖釘と言われた事もある、だから今は聖剣なのだ。』
「そうなんだ、じゃあ昔の勇者の話とか聞いても良い?」
『構わんが、一度戻ってアルテと言う娘を安心させてやるべきでは無いか?』
「あぁ!そうだね。」
上原は洞窟の外に出ようとしたが一端止まり。
「長い付き合いになると思うけど、これからよろしくねラグナ。」
『…ああ、分からない事は何でも聞くと良い、マスターが一人前の勇者になるまでは必死にフォローさせて貰うさ。』
「うん!」
上原は今度こそ洞窟を出た。
『…今度の勇者はどうなるか、せめて愚か者にならない事を願うか。』
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