心頭滅却しても熱い

7/23
前へ
/54ページ
次へ
言われた通りやってみると、確かに登れた。 「なんか…変な感じだな。」 「直に馴れる。」 少し歩きにくかったが取り敢えず門と同じ位まで上るときにはそれなりにスムーズに進めた。 「あれ?」 門と同じ位まで上ると地面があった、門から見た時は無かった筈の地面があり、さっきまでの空間が無くなっていた。 「不思議か?」 頷くと。 「地面に潜るようにイメージしてみろ。」 子供のころ遊んだ泥沼に沈んでいくイメージをすると。 「おお!?」 気づくとさっきの空間にいた。 「面白いだろ。」 「面白いと言うよりビックリだ。」 「先ほど地面が有る事に驚いただろ。」 迅が頷くと、空間から地面に戻り。 「この地面は神層界の上役の者達が作った物だ、詳しい事は知らんが我々の知る地面とはかけ離れとる、そしてこの地面見えるのは魂の昇華をある程度した者だけ、歩けるのは神層界の者のみよ。」 老人は迅を見てニヤリとし。 「普通神層界に入る時は地面が見えてだがな。」 老人が笑っているのを見て迅は少し拗ねながらも黙って進み始めた老人の後に付いて行った。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

578人が本棚に入れています
本棚に追加