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とある学校のとある教室で、私は机に突っ伏していた。
2月も後半のこの日は久しぶりの登校日である。
受験も大体の人が終わり、教室は前に来た時より活気がある……ような気がしなくもない。
正直、以前の教室の雰囲気なんて覚えてないし。
まあ、うるさいことは確かで、キャーキャーとはしゃいでいる声がそこら中から聞こえた。
今の時間は一応HRとなっているけれど、連絡もないので実質自由時間なのだ。
先生はどこかへふらりと消えてしまい、注意する人もいない。
楽しそうなクラスメイトとは違い、持ってきた本も読み終わってしまい、することがなくなった私には非常に苦痛な時間だった。
友達なんて他のクラスにしかいないし、うるさくて眠ることも出来ない。
あぁ……家に帰りたい。
部屋のベッドでごろごろしたい。
用事もないのに何で学校来なきゃいけないんだろ。
顔を伏せたまま本日何度目かの溜息をついていると、突然耳元で笑い声が聞こえた。
『クスクス……憂鬱そうだねぇ。
やることないなら僕と遊ぼうよ』
肩がびくりと震える。
それを見た奴はまた笑う。
本当に……今日は嫌な日だ。
最近は幽霊なんて見なかったのに。なんでよりにもよってこいつが現れるんだ。
『何で無視するんだい?僕と君の仲だろう?』
……我慢、我慢だ私。
ここで言い返したらおしまいだ。
たとえ、小学校時代にこいつのせいで数少ない友達すらも消えたとしても、今それを言ったらこいつの思うツボだ。
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