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ガサガサ……。
キムがダッシュボードのボックスから、チャカとコナを見つけ出す。
これらは車体本体とは別のルートで売りさばく。
ヤクザのクルマはいろいろおまけがついてくるので、含めるとけっこうなカネになるのだ。
「他になにかないかな」
キムが後部トランクを開けた。
「!」
なんと、素っ裸のオンナが手と足、そして口にはガムテープを貼られて押し込められていた。
オンナの体には擦り傷、あざ、噛み痕などが残っている。
「さては変態どものオモチャにされたか」
キムはクルマにあったチャカに弾を込めると、セーフティを解除し、オンナのこめかみに銃口を向けた。
「こんなオマケはいらんわ」
オンナが目をあけた。
瞬時に事態を悟ったようだ。
しきりに首を振り、懇願の表情で命乞いをする。
「そのまま眠っておけばいいものを…」
キムが撃鉄を起こし、トリガーを絞ろうとした、そのとき――
「待て」
黒岩がとめた。
「なんだ、ホトケゴコロってやつか」
今更…と片頬をゆがめてあざ嗤う。
「おれが殺す」
黒岩はガムテープをはがし、手足の縛めを解くと、オンナをひょいと担ぎあげた。
「殺すんじゃないのか」
「一週間後だ」
短くいって黒岩は停めてあったCX-5に乗り込む。
「そうか。せいぜい楽しめ」
キムの皮肉な笑みを受け流し、黒岩は裸のオンナを助手席に乗せて走りだした。
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