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☆ 「あらら、今日も仲がいいねぇご兄妹」 「くたばれクソババァ」 と、お隣に住む幼なじみの衣舞イマイと毎朝通りの挨拶を交わしてから、三人で同じ高校へ向かう。 衣舞は頭のてっぺんに作ったお団子をいじりながら俺と妹の隣を歩く。 「でもほんとじゃん、やっぱ結婚しちゃえよ君たち」 「きゃー、衣舞もやっぱりそう思う?」 「幼なじみと妹が仲良く俺を小馬鹿にしている図が毎度のことながらムカつく」 俺がムスッと膨れると、妹と衣舞は楽しそうに「にゃっはー」と笑いながら俺の顔を二人してのぞき込んできた。 仲いいんだよなぁこいつら。 ……うーん、衣舞に一応聞いてみるか。 「なぁ衣舞」 「ぬ?」 「昨日の二時、夜な。くらいさ、外出てた?」 「お前じゃないんだから、そんな時間は寝てるよ」 「そして私は枕をはみはみしてたよ」 うるせぇ、知ってるよ。
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