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「兄貴ぃー?」
私は寝ぼけ眼をこすりながら、隣に寝ているはずの兄貴に手を伸ばした。
しかしそこには誰もおらず、私の手は空をつかむ。
豆電球に照らされた六畳の部屋で、私は布団から身体を起こす。
「もうっ兄貴ったら。また夜遊びか」
なんて悪い子だ、と私は憤慨する。
充電器をさしっぱなしの携帯を手に取り時間を見てみると、深夜二時前だった。
兄貴はよくこの時間帯にどこかへ、ふらっと遊びに行く。
「……むぅ」
困る。兄貴がいないと私は寝ることが出来ないのだ。
別に高校生にして暗闇が怖いとか、寂しいとかいうわけではない。
昔から寝るときは兄貴が隣にいるのが当たり前だったから、落ち着かない。それだけ。
「……なーんてね!それだけなわけないじゃんきゃーっ!!」
まだ温かい、兄貴の枕を抱きしめて私は布団の上をゴロゴロ転がって悶える。
好きっ!兄貴チョー好き!
兄貴が居ればなんもいらない!
兄貴と付き合いたいチューしたいセッ●スしたい!
「んにゃぁー……兄貴ー…」
我慢できなくなって兄貴の枕をはみはみする。
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