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☆
帰ってきたら枕がびしょびしょに濡れていた。
ので枕のない一晩を過ごして朝、首が痛い。
「くぅ……くぅ…」
そして今、俺の寝間着の作務衣の袖が枕と同じくびしょびしょになっていた。
なぜかというとそれも枕と同じ理由、妹が腕にくっついて腕をかじっている。寝ながら。
布越しに妹の口内の感触を腕でしばらく堪能するのもいいが、そんなことをしていては遅刻してしまうので妹の頭を揺さぶって起こす。
「朝だぞぅ」
「むぃー…」
妹は奇妙なうめき声をあげるものの、起きる様子はない。
それどころか段々噛む力が強くなってきて、て、痛っ、い。
「痛いってちょっと!やめっ」
「かぷかぷ……がぶー」
「でぇっい!」
どうしても起きないので噛まれていない方の腕を振りかぶって妹のわき腹に向けて拳をふるった。
メコッと拳が妹のわき腹にめり込む。
さすがに妹も目を覚まして、嗚咽を漏らしながらわき腹を押さえる。
「う、ぇぇ……」
「おはよう」
「げふっ……お、ぉはよう…」
「お前なぁ、昨日また俺の枕噛んだだろ」
「うぷ……ぅん…」
「いい加減やめなさい、もう高校生なんだからな。俺もお前も」
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