兎を追いかけたら、そこは不思議の国だった

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この年になってから久しく見ることのなかった夢を久しぶりに見た。 何故か何時もより出てきた人たちがはっきり見えたように思える。 そんな転校初日 俺、東雲亜璃澄は困っていた。 「ここは何処の不思議の国だ?」 時は少し遡る。 俺は家の関係でこの全寮制の男子校に転校することになった。 そしてその初日荷物は既に送ってあったから、迎えを丁重にお断りして学校に向かい今に至る。 「迎えってこうゆうことか…」 今門の前に立っているが、そこから見える風景が、何処のテーマパークかと聞きたくなるような見た目をしている。 森の中の荘厳な城のような校舎 果てが見えない広大な敷地 そして極めつけは、学園の敷地内にいっぱいに広がる薔薇の植木 その全てが赤薔薇だった。 それを門の外から覗き見た途端、ツキンと頭の奥が傷んだ。 「…っ!?何だ?」 頭を押さえるとすぐ痛みは止まった。 不思議に思っていると、不意に門の中から声がかかった。
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