兎を追いかけたら、そこは不思議の国だった

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「そっかあ……あ、僕の名前は白川兎角。改めてよろしくね!」 「こちらこそよろしくな。もう知ってるようだけど、東雲亜璃澄だ。」 俺が手を出すと手を握り返してくる。 「そういえば、さっきの」 「じゃあ早く教室行こうか。皆待ってるよ。」 「あっ、おい!」 先程のことを聞こうとした途端繋いだままだった手を引かれた。 そのまま走りだした白川の手を解く。 「ちょ、待てって!」 手を解かれた白川がキョトンとした顔で振り向く。 「いきなり走りだすなよ。それより俺はさっきの話が聞きたいんだけど?」 そう言うと、白川はちょっと困った顔をしながら、胸ポケットから金の懐中時計を取り出した。 「僕もアリスと話したいんだけど」 そして何故か懐かしい響きの言葉を言ったのだった。 「時間に遅れちゃうよ。」
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