9人が本棚に入れています
本棚に追加
白川に連れられて入った校舎の中も、唖然とする構造だった。
「…城かここは。」
―学校だというのに、何故こんなにキラッキラッしてるんだ…?
窓が全部ステンドグラスとか、目が痛くなりそうだ…
「あ、言ってなかったっけ?この学校、元々お城だったんだよ。」
「えっ?マジで?」
「うん。」
まるで城みたいだとは思っていたが、実際に言われてよく周りを見てみると、所々城の名残のような彫刻などが並んでいる。
「ここだよ。」
キョロキョロ周りを見ているうちに目的の場所に着いたらしい。
「ん?ここか?」
俺が白川の方に顔を向けると、1つ頷いてドアをノックした。
「理事長先生、連れてきました。」
白川がそう言うと、中から入りなさい、と声がかかった。
声からして若い人のようだ。
「失礼します。」
と言って入った白川の後を追う。
「やあ、君が『アリス』だね?」
理事長室に足を踏み入れた途端、俺は目を瞠ることになった。
理事長が俺の名前をいきなり呼び捨てにしたことでも、理事長が意外にも若い女性だったことでもなく
部屋の内装に。
理事長室はもちろん規格外の広さだったが、もっと驚いたことに、書庫か!と突っ込みたくなるほどに、壁という壁が本で埋めつくされていた。
「…くん……アリスくん!」
「!?はい!」
一瞬固まってしまったようだ。
少し頭を振って、ちゃんと理事長と目を合わせた。
「驚いてしまったかな?本を集めるのが昔からの癖でね。」
「はぁ…」
驚いた?
今感じた感情とは少し違うような?
最初のコメントを投稿しよう!