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今感じたのは、驚きというより、既視感に近かったような…
「話をしてもいいかしら?」
「あっ、はい。」
慌てて姿勢を正す。
「いきなりで悪いんだけど…あなた記憶が残ってる?」
「はい?」
本当にいきなりで展開についていけない。
記憶?何の?
困惑していると理事長室に入ってから沈黙をたもっていた白川が話しだした。
「先生、残念ながらほとんどないようです。でも僕はっ」
「分かっていますよ。でもそれ以上は今言ってはいけませんよ。記憶がないなら尚更。」
「っ…はい。」
そのまま白川は押し黙ってしまった。
その記憶って何なんだ?
こいつらは俺のことを昔から知っていた?
「…あのさっきから記憶があるだのないだの何の話ですか?俺、いや自分と昔会ったことがあるんですか?」
おそるおそる疑問に思ったことを聞くと、理事長はそんな話は無かったとでも言うように、即座に笑顔を向けてきた。
「いえ、私たちは初対面ですよ。今は。」
今は?
どういうことだろう。
何かの比喩か?
「あの、」
「長々と話している場合ではないですね。そろそろホームルームが始まってしまう。白川君、亜璃澄君を教室に連れて行ってあげて下さい。」
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