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目の前には広がる青空と白い雲。
屋上は一番落ち着ける場所だから、俺は好きだ。
俺には、大好きな先輩がいる。
学校一の秀才で、学校一の美男子。
今日もあの優しい声で俺の名前を呼ぶ‥だろう。
「あ、大ちゃん!」
白い肌にふわりと揺れる真っ黒な髪の毛。
いたいた、と大きな目を細めてひらひら手を振る。
‥‥嬉しい。先輩が俺の名前を呼んでくれる。
それだけなのに…。
「先輩‥//
どうしたんですか?」
「あれ、
言ったよね?
今日は生徒会役員と各学級委員長で
体育祭について決めるよ。って」
「‥‥あ、すみません!
俺すっかり忘れてて!!」
「ふはっ
大ちゃんらしいや!」
先輩はにこにこしながら、
俺の手を掴んで立たせた。
幸せ。でも、残酷だ。
だって、先輩には‥‥
彼女がいる。
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