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生徒会室には既に皆集まっていて
謝ろうとした瞬間、先輩にフォローされ、
何もなかったかのように席に着く。
「えー、では‥‥」
先輩は生徒会長。俺は生徒会長の秘書役。
近くにいるからこそ幸せで、
でも近くにいるから辛いこともたくさんある。
「では、
今日は解散にします。」
先輩の言葉で
皆が一斉に教室を出て行く。
「大ちゃん、お疲れ!」
「先輩もお疲れ様でした。」
鞄を持ち、
帰りにご飯食べてくか!
なんてはにかむ先輩に首を縦に振った。
だけど、先輩は。
「けーいちゃんっ」
「あれ、ゆい?」
「ふふっ、待ってた。」
「お前危ないだろ!」
「ごめんごめん」
‥ゆい先輩。先輩の彼女。
どこからどう見ても美男美女だし、
校内一のお似合いカップルだ。
「大ちゃん‥‥」
「おれっ!」
先輩が何かを言う前に遮った。
辛い思いはもうしたくないんだ。
「邪魔しちゃうんで、俺一人で帰ります。
お疲れ様でした。」
荒く鞄を掴んで教室を抜け出す。
涙が頬をツーっと伝う。
期待なんか、してるわけじゃない。
先輩には可愛い彼女がいて、
俺はれっきとした男で。
わかってるけど‥‥、
思わせぶりな態度をとる先輩が、
俺は嫌いだ。
(先輩には彼女がいる。)
(だから、)
(思わせぶりな態度はもうやめて)
end
続きます。
こういう話、大好きなんです(>_<)
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