第四章  食堂はイベント会場

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「!…おい…(ドカッッ」 その途端に千里の声と、鈍い音が響き渡った。一瞬にして沈黙したが、一気に騒ぎ出した。 『おい、編入生が零夜様を殴ったぞ!!』 『いやぁー!零夜様ぁぁ』 『あいつ調子に乗りやがって!!』 ザワザワと周りの生徒たちが騒ぎ始めた。 「ッ…てめぇッ!!」 「食べ物を粗末にした。そしてお兄さんに水をかけた。もー許さねー」 もういっぺん、会長を殴ろうとした瞬間に 「おやめください!」 「止めろ」 先程のお兄さんと、千里が止めに入ってきた。 「…ぁ…」 ハッと我にかえり、周りが見ているのに気付いて握り締めていた拳を降ろした。 「零夜、そのぐらいにしときなさい。他の生徒のご迷惑ですよ」 「そーだよ、零ちゃーん。チワワ達が怖がってんじゃん」 「ケンカ…めっ」 「「 お腹すいたから、早くいこーよー」」 会長の周りにいた生徒会のメンバーも止めに入ってきた。 会長は「覚えとけ」と言い残して生徒会のメンバーを連れて、指定席へと向かった。 「…はぁ…俺のAランチ…」 「また、買うのか?」 律からそう言われて頷けば、お兄さんは 「良ければ新しい食事をお持ちいたします」 「あ、ありがとうございます!えっと、名前は…?」 「私の名前は、名取 遥と申します」 お兄さんはそれだけを言い残して、厨房へと戻った。 .
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