1章 最愛の人

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気だるいながらもカーテンを開けると、一気に眩しい光が差し込んできた 思わずその眩しさに反射的に目を閉じてしまう 『7月14…日』 太陽に照らされた先のカレンダーを見つめると今日の日付を確認した 俺の通学している学校は他校よりも夏休みが約2週間はやく、約2週間はやく新学期が始まる珍しい高校だ おかげさまで他校の友達から羨ましいなんて嘆かれるけど 実際、羨ましがられるほどではない むしろ、真夏の暑いなか、Yシャツと制服に身を包み、自転車を必死に濃いで遅刻ギリギリで教室につくから、おかげで汗はダクダク だからこの夏休みの規則性で良かったなんてこの2年思ったことはなかった そんな不思議な夏休みとはもう今年で終わり 同時に、あの人への想いも終わろうとしていた
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