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約束の時間はもう目前。
連絡は入れてあるけれど、私から誘っておいての遅刻だなんて切なすぎるし、心証悪い。
そう思うと自然と駆け足になってしまう。
スルリと滑り込んだ地下鉄のドアが、背中で閉まった。駆け込み乗車ごめんない。アナウンスに小さな声で返事をしつつ、空いている席を探す。
ラッシュの過ぎた時間で比較的、点々と空き座席のある中でも端の席は空いていない。ポツリポツリとうまった席の中でも、向かいに誰もいない席を見つけて座る。
本当はしたくないけれど、コンパクトを取り出して、メイクのチェックをする。
先程メールで、構内で待ってると返信が来たのだ。
改札での待ち合わせならば、化粧室に寄れるのだけれどそうもいかなくなってしまった。
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