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図書委員の仕事は主に二つある。放課後の図書当番と本の特集記事の執筆だ。そしてどちらかの仕事に属し、その中でローテーションを組み仕事を行う。ひとクラス二人の図書委員はセットだ。
「藤宮はどっちがいい?」
「俺はどっちでも。望月が決めていいよ!」
「そう。分かった」
手を振る藤宮に背を向けて黒板に向かう。藤宮の返事に内心安堵していた。
「今年も図書当番なんだね」
思わずクラス名を書く指に力が入り歪な数字になるがさり気なく書き直す。
「うん、そうなの。紺野くんも?」
「そう、隣いいかな」
私より顔一つ分背の高い彼の横顔が近くにある。ドキドキしてるのは言うまでもない。
「紺野くん、記事書けばいいのに。本好きなんだし!」
「俺、文章力ないんだよね。望月さんこそ書いたらいいのに。女の子ってそういうの上手でしょ」
お、女の子って……!他意はないだろうその言葉にさえ胸がときめく。もうこの会話だけで幸せいっぱい。重症なのは無論、十分承知だ。
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