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鳳の主は、花見の宴のことを話した。
「そなたも14。そろそろ内裏のほうに行ってみないか?」
と主が訪ねると、
「え?!私が宮中に行けるのですか?!嬉しうございます、父上。是非行かせてください!」
と霞子はきゃっきゃと騒いだ。
隣に座る寅子は対照にぽかんとしている。
「寅子も行けるのですか、父上?」
しかし、寅子の内心は行きたかった。
「寅子にはまだ早いな。霞子は宮中を見ておくのも将来のためだ。」
「わぁ―…。」
霞子は感動の真っ最中だ。
隣でそれを見る寅子には、姉が羨ましく、自身寂しく感じた。
すると、扇の大きな音が部屋に鳴り響いた。
「そうとなれば霞子よ。明日から宮中のことを学ぶのだ。」
と主は戒めた。
すぐに霞子は現実に戻った。寅子は、そんな父を少し遠くに感じた。
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