1話 隠れ咲く
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―花見前日 鳳邸― 今日も霞子は勉学に励んでいた。花見の宴の前日のせいか、父の鳳の主も力が入っている。 部屋に紗が入ってきた。 「殿様。柏少納言様がお見えです。」 「今参ろう。」 と鳳の主は席を立とうとした。 すると、どこからか誰か走ってくるような足音がする。 「中納言様!!ご無事でいらっしゃいましたか?!」 と駆けてきたのは、霞子の幼なじみの祇絋(つみひろ)であった。同い年で柏少納言の嫡男である。
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