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―夜―
屋敷の辺りは暗く静まっていた。
霞子は寝所で目を閉じていたが、眠りにつけずにいた。
我慢ならず、体を起こした。
「うーん。やっぱり眠れない。」
自分でも眠れない理由が分からない。
明日が花見だから緊張しているのかしら?それとも―…
父上?父上に冷たくされたから?
それにしても今日の父上はおかしかった。何か変わったことでもあったのかしら?
霞子は、自分でも気付かない間に父の寝所の方に足を運んでいた。
よーし。父上の所へ行こう!そうすれば、きっと何か分かるはず!
好奇心の塊の霞子は、女房達に気付かれないように向かった。
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