1話 隠れ咲く

4/37
前へ
/76ページ
次へ
「書物は真面目に読めるというのに、まだ直らないのか。」 「はい。じゃじゃ馬なところは一行に…」 主は軽く咳払いをした。 「となれば、直すのも時間の問題。ここは1つ表にでも出してみようか。」 「ええ?!姫様を、ですか!?」 「そうだが。」 と主は平然と答えた。 紗は驚いた。例の姫君は14歳で、表に出るには若すぎる。 しかし、兄の主は面白そうに物を言っていなかったか? まるで、何かを企んでいるように。 紗はそれが気が気でなかった。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加