過去の栄光2

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「三木さん、その屋敷に何があるんだよ」 「争いさ。……醜い争い」 すると屋敷に人影が数個現れ、暫くすると悲鳴が聞こえた。 十は驚き、思わず三木の腕を掴んで引き寄せた。 それに合わせて風景が動き、梅の木のある丘へと変わった。 「さっき君が刃物で私を刺そうとしたように、彼等も同じことをする」 十はハッとして、腕に抱いた三木を手放した。 三木は苦笑を浮かべながら十に向き直った。 「そう遠くはない未来だ」 「お前…未来が見えるのか?」 三木はこの質問には答えなかった。ただ笑顔を浮かべるだけで、何も反応しなかった。 「ま、こんな血みどろな話は止めて、君のお悩み相談にでも乗るとするか」 「は…?え?」 「さて青年よ、何を悩んでいるのかね?」 「いや、待てよ。話が飛びすぎてねーか?」 三木は十の両肩を掴んで方向転換させ、いつに間にか現れた椅子に座らせた。 そして三木は真向かいの席に座り、湯呑みと急須を出してお互いの湯飲みに注いだ。 「夢の中だぞ」 「まぁいいじゃない。気分でも楽しみましょうよ」 「……ふん」 腑に落ちないと言った顔をしつつも、湯呑みを手にとった十を見て三木は安堵の笑みを浮かべた。 そして、自分の湯呑みを手に取り茶を啜った。 「うーん。不思議不思議。焙じ茶の味ー」 「は?俺は煎茶だぞ」 「ま、夢ですから」 image=473375550.jpg
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