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地区大会、おしかったな。
そうだ、無名のうちの高校が県大会の準決勝まで行けたのはこの先輩が凄いピッチャーなんだって誰かが言ってたっけ。
うろ覚えの知識が頭を掠める。
「唯ちゃん、いきなりでびっくりするかもしれないんだけどさ、その…好きなんだ。
体育祭の時からずっといいな、って思ってて…。
俺と付き合ってくれないかな?」
予想してなかったわけじゃないけど、正直こんな真剣に言われたのは初めてで顔に熱が集まるのがよく分かる。
お姉ちゃんのサークル仲間の人にからかわれて言われる事はあっても、こうゆう正式?なのは経験がないし。
こんな時、小説の中の主人公たちは何で反応してるんだっけ。
サークルのお姉さんたちにたくさん聞かされた体験談も全然思い出せない。
「…唯ちゃん?」
「っはい、お願いします!」
黙ったままの私を呼んだ声に思わずOKしてしまって、先輩の破顔した表情にチクリと胸が痛む。
そんなに嬉しそうにされたら勢いだ、なんて言えない…。
「ありがとう、結構ダメ元だったから嬉しい。
あ、今更だけど俺の名前分かる?」
団長として良く名前が上がっていて覚えていたからコクリと頷く。
「…日高先輩、ですよね。」
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