13 写真×香り

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頭の中には『我が禁断を起こし、櫻の母と父は戻れる』 そればかりが支配している) リビングには 家族との写真が飾られている いたる所に貼っており どこに居ても分かるように 独りじゃないよ と…示すように。飾られている 笑っている顔 怒っている顔 拗ねてる顔 泣いてる顔 これは全て、両親が撮ったものである。 リビングにいれば寂しいことを忘れられる場所であったはずが いつしか、寂しい場所に変わっていた。 櫻が母のお酒を飲んだ日から 満たされない気持ち 父のお酒の弱さが、たまらなく嬉しくて 亡き、母と父の姿をリビングで思い出していた 櫻)「…写真だが笑っているよ。今の私は笑えていないね…。夢なんかみない方が良かった…。 知りたくなかったよ?お母さん?お父さん?」 櫻は一番の笑顔で撮れている写真を手に取り 胸にぎゅっと抱きしめた クシャクシャになってもなお、 抱きしめたまま 一筋の涙を流した。 その時 花の香りが櫻を包み込んだ 櫻はゆっくりと後ろに振り向いた瞬間 ぎゅっと抱きしめられた 耳元で囁くように… ?)『独りでなくのは、梓と同じだな。櫻…。』 と、言われ 櫻から涙があふれだした。
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