†交流試合†

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-朔夜side- …ドアの外で聞こえた大地のうめき声。先輩の威嚇するような声。敵であろう人物の狂ったような笑い声。はじかれるような音。ぶつかる音。 カタカタと震え出す両手を抑えて… 目の前の歌詞カードに向き合う。 失敗したら、みんな失う。 一旦落ち付けるように瞳を閉じて… 歌は、二番に入った。 ……出だしは、望からだ。 『朝のニュースは、騒音。 僕の耳には響かない。でも、今日は別。この飛行機にキミが乗っていることを僕は知っているから。 …窓の外には、庭に積もった白い結晶。…もうすぐ、キミに会える。 身支度を整えて玄関で待つ僕の横で鳴る電話。 僕をすり抜けて電話に出るお手伝いさん。落ちた受話器。 Ah…喉が乾いて仕方ない。』 望の透き通った声が響く。 ……ドアの外では、もみ合うような音は続いている。 ……先輩も大地も、無事でいて? 祈るような気持ちで歌詞を紡ぐ。 『『黒の行列。白黒の世界の何処にあの子はいるの? …そう尋ねた僕を強く抱きしめたお手伝いさんの肩は、小刻みに震えていた。』』 ……声が、震える。 『『Ah… 声が聞きたいんだ。 ぎゅっと、抱きしめたいんだ。 その後、笑顔でお帰りを言うから。 見上げる空から舞い降りる白の結晶を 早く降らせてくれ、俺に降らせてくれ… 君が帰ってくるはずの季節が…Ah。』』      image=474048758.jpg
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