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空「ありゃりゃ、バレてらー」
にししといたずらっぽい笑みを浮かべる。
お手上げでーすと両手をヒラヒラとあげ、口を尖らす。
その表情が良く似合っているのがまた凄い。
蓮「……気難しい方が多いし。こうして実力を見せた方が納得してもらえますから」
もし伝えていたら、認めねえからな!と声を上げる晃さんの顔が浮かび、口が引き攣る。
蓮「……お陰様でそこそこ鍛え上げれましたよ」
空「そうみたいだな……勝ったぞ」
空牙さんの視線の先には、少しだけかすり傷がみえるが笑顔でこちらに手を振る流依の姿が。
ははっ、褒めてって尻尾がみえる
頭でも撫でてやろう。
空「……なぁ、蓮。最後に聞いていいか」
蓮「なんすか?」
おちゃらけていた表情が一変、真剣な顔でこちらを見つめてくる。
俺はこの空牙さんが少し苦手だ。
空「なんで、流依をうちに入れようと思ったんだ?」
それは
蓮「強い、意志を感じたから」
誰かを守りたいという、強い意志が。
それが自分に被って見えた、だなんて
言える筈もなく、しかし空牙さんもそれで満足したのか。そうかと微笑み頭をぽんぽんと撫でられた。
やはり、その微笑みは慣れなくてむず痒い。
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