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どうやら王様は察してくれたらしい
「ハッハッハ、クレア殿は敬語が苦手と見える。なに、こちらとしてはそんな堅苦しいものは見飽きたのでな、普段通りでいいぞ」
と、言ってくれた。棒読みになってたのがバレたのか
「え、マジで?助かるわ。敬語を使ったら鳥肌が立つんだよ。つか、そんなんで大丈夫なのか王様」
「大丈夫じゃ、問題ない」
この王様……デキル!
「さてと、紹介の続きだが、これが私の息子だ」
「はじめまして、ではないのですけれど、レプティス王国第一王子のキール=レプティスです」
「あぁ、あの時の………あの時は悪かったな」
「いえ、僕は大人ですので」
『大人』の部分を強調されてもな。見た目どう見繕っても中坊……いや、小四だし。髪が黄色だから親がDQNのかわいそうな子供みたいだ
「そして、こっちが僕の妹です」
「え、えっと!は、はじめまして!第二王女のミール=レプティスでしゅっ!」
なんだ……この可愛い生き物は……いや、しかしそれでは俺はロリコンになってしまう。柚子がいたら襲いかかってたな、確実に
ミールは、兄がショタなら妹はロリ、というようにロリだった。やはり黄色の髪を肩甲骨まで伸ばし、フランス人形と言えばいいだろうか
「ん?第二?まだ上がいるのか」
「はい……いるにはいるのですが……」
おっと、どうやらこれは琴線らしいな。場の雰囲気が暗くなった
「ま、まぁ今はいいではないか!それよりも、料理をここへ!」
王様、ゲイルが手を叩くと、俺が入ってきたのとはまた違う扉からメイドさんが沢山入ってきて、料理を押してきた
「ほぅ……」
運ばれてくる料理を見て感嘆の声が漏れる。どれも見たことがない料理だが、よく考えたらこっちにきてなにも食べてないので腹が鳴くは鳴くは
「それでは、正式な祝勝パーティーは後日として、今はささやかながらに宴を楽しもうぞ!」
ゲイルが音頭を上げた瞬間、俺は食物という食物を喰らい尽くさんばかりの勢いで食べ始めた
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