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しかしそれは想定内。最初からこうなることはなんとなくわかっていたので動じはしない
「”アレ”とはなんのことですか?」
「とぼけんじゃねぇよ騎士団団長様よぉ。”アレ”はどうみても人間………いや、”人間だったもの”だろ?」
ドォォォォォン!!
轟音。それの出処は勿論アリエス
視界から消えたアリエスが次の瞬間には真横に来ていた
バシッ!
「はっ!手厳しいなぁおい。そんなに知られたくないことだったのか?」
「………」
最早神速といってもいいかもしれない速度で剣を一閃。それを俺は指ではさみ抑える。止めることはできたが薄皮が剥がれたらしい。ちょっとチクッとする
「……なぜ、”アレ”が人間だったものと?」
「根拠はねぇな。ただ、なんとなくの、そう、直感って言えばいいか」
水の球体に入っていたのは見かけはまんま人間の女の子だった。その球体に色々な器具のホースやら魔術のお札やらが貼られていた。そしてそれを見た瞬間、あ、これなんかちげぇ、と思った
テスカからもらった最強の身体能力のおかげで、第六感ってやつも強化されているのかもしれない
「……クスクス」
「あ?どうした?狂ったか?」
剣に込められた力がいきなり抜け、アリエスを見るとさっき通りに笑っていた。とりあえず殺気やらオーラやらが消えていたので剣を離す
「いえ、直感であの方をそこまで言えるとは……すいません、もしかしたら、と思いまして」
「………?」
まったく何を言っているかわからなかったが、どうやら何かの嫌疑をかけられていたらしい。それも解けたようだが
「このことに関しては後日お話があるでしょう。その時までお待ちください。それではおやすみなさい」
クスクス、と笑いながら部屋を去るアリエス。俺はそれを見送るしかなかった
「………寝よ」
疲れが一気に来たのか、夕方寝たのにも関わらず、ベッドに入った瞬間意識がなくなった
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