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ーアリエスsideー
「クスクス……」
今思い出しても笑いが、ニヤケが止まらない
「まさか……私の一太刀目を指二本で防ぐなんて……」
屋内のために全力ではなかったが、それにしてもあれは異常だ
化物と言われる類の人種よりもさらに上の存在感。さらに戦争の時に見た戦闘スタイル。すべてが、表すなら暴力
ただ、自身の身体能力のみで元帥を相手にし、圧倒的な力で勝利をもぎ取った
「あぁ、あんな強者が近くにいると考えるだけで疼きますね」
この国で私の相手をできるものは皆忙しい。戦争中ということもあったのだろうが、それでも通常の業務というもが彼らにはある。騎士団の団長としての仕事は副団長がこなすため、ほとんど仕事がない
さらに、元帥は基本的に私闘を禁ぜられている。理由は至極単純。その『私闘』が国規模で崩壊するからだ
だから、どこかで全力で戦えない自分にあきらめを感じていた
それが、クレアという男により解消されようとしている。これは実に喜ばしいことだ
「クスクス……あとは戦う理由を作れば……」
どうやら今日は寝ることはできなさそうだ。部屋で理由作りをしなければ
「クスクス……楽しみですねぇ」
この興奮が収まることはないだろう、と勝手に決めてから部屋に戻った
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