完全犯罪ヤブレター

3/42
8820人が本棚に入れています
本棚に追加
/777ページ
やっぱテスカに顔も変えてもらえば良かったかなぁ~、とか運ばれてくる料理を見ながら思っていると、あることが思いついた あれ、俺姿変えれるじゃん この時ほど自分を馬鹿だと思ったことはない。それぐらいの抜け加減だった。次の街からは入る前に姿変えるか。うん、そうしよう 「あ、あの!どうかしましたか!」 ミールがひどく慌てたように気遣ってくれた。こんな強面にまで気を使うなんて……将来騙されないか心配だ 「いや、ちょっと自分を殺したくなっただけだから」 「それちょっとじゃなくないですか!?」 キールに大声で突っ込まれたが無視した。なんかこう……ウザかった 「グスン……それでクレアさんは今日予定はありますか?」 涙声に鼻を啜りながら聞いてくるキール。早く泣きやめよ男だろ?でないと今にも後ろに控えているメイドさんたちに殺されそうなんだよ この城のメイドさんは全員ショタコンという事実にちょっとショックを受けてから、キールの問いに答える 「無い」 答える、なんて大げさなものではなかったが、だってそうだから仕方がない 「そ、そうですか……」 俺の答えにどこか嬉しそうに隠れて(見え見えだけど)ガッツポーズをしているキール。と、それを見て鼻血を出しているメイドさん 「どいうかキール、朝は王様とか一緒じゃないのか?」 素朴な疑問だ。昨日は一緒だからいつも一緒だと思ったんだが 「……昨日が珍しかったんです。いつも僕とミールの二人です」 嬉しそうな表情から一変、キールのみならずミールの表情も悲しいような寂しいような感じになった。 なるほど、察した 「そうか………そうだな、お前らがよかったらなんだが……今日街を案内してくれるか?」
/777ページ

最初のコメントを投稿しよう!