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「14なんて歳で戦場にいたのか……ゲイルも結構スパルタだな」
「あ、いえ、今回はうちの国の元帥が関係してまして」
元帥?……あぁ、あの雷のやつみたいなやつか。この国にもいるんだな
「へぇ、それはちょっと興味あるな」
「話せば長いので端的に言いますが、ズバリ、うちの元帥は『未来予知』ができます」
「『未来予知』?」
未来予知ってぇとあれか。ポケ○ンの技か。あれあんまり使えないよな
「はい。それのおかげでレプティスの勝利はクレアさんによって確実、と出ていました。なので、経験を積むために、と父上が」
「………へぇ」
正直、その元帥とやらは強いと思う。勘だが。俺という、この世界からすればイレギュラーな存在を、朧げながらに予知するってんだから、力量が伺える
「それよりも今はギルドに行きましょう!」
「ん、そうだな」
このまま入口でつっ立ってても邪魔なだけだし。さっきから出入りするやつらに肩ぶつけられるし
「ほう、ここはテンプレートを裏切るのか」
入ってみてまず、見えたのが左手にカウンターとその奥にクエストボードと思わしき横長のボード。右手には食堂のようなカウンターがあり、真ん中はほとんど椅子と長机で埋まっている。全体的に小綺麗な印象だ
そこまではテンプレだが、見渡しても見渡しても、よく小説に出てくる飲んだくれのおっさんどもがいない。絡まれれば、合法的に懐が潤ったのに、と少し落胆
「あ、キール様、ミール様。ようこそ当ギルドへ」
ぼうっと周りを見渡していると、カウンター越しに声をかけられた。このギルドの受付嬢の制服なのか、ビシッと決まった制服のおねえさんだ
「今日はこの方の案内できたんです」
「はぁ……えぇと、当ギルドが初めてならばギルドカードの提示をお願いします」
こんな俺が王子と王女を連れ回しているのがさぞかし不思議なのか、めちゃめちゃ疑いの目で見ながらも事務的な対応のおねえさん。つってもまぁ、答えは一つ
「無い」
「「「え?」」」
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